今から約400年前、白狐が人間に姿を変え、秋田と江戸の300里を六日間で往復する与次郎というすぐれた飛脚が徳川幕府の情報を秋田佐竹藩の殿様に伝えるため、ひんぱんに羽州街道を通っていました。途中ここ六田郷のお花という娘がいる宿、間右衛門に泊まっている時、佐竹藩を怪しんだ幕府の隠密がお花の父と谷蔵という男を仲間にして与次郎を殺そうと企てました。

 与次郎に心をよせるお花からその話を聞いて宿から逃げるのですが、途中油揚げと赤飯の香りに足をとめたところを谷蔵から矢を射られ死んでしまいました。その後、谷蔵は死に、六田郷には災いが続いたので、ここ四ツ家に与次郎稲荷大明神を祀ったとのことです。